海の響きを懐かしむ

観たもの聴いたもの読んだものの記録と、日記など

実写『美女と野獣』3回見て3回号泣した、永遠の愛を知るということ

(※ちょっとネタバレ有りなので、これから見る人は注意です)



先週末公開されて、IMAX 3D字幕→2D吹き替え→IMAX 3D字幕、と3度鑑賞。


もう一体、何がどうなっているのか・・・
3回とも嗚咽が止まらず号泣してしまった。
特にIMAX 3Dの迫力が凄まじく、涙でぐちゃぐちゃになって大変なことに...。


個人的にはダントツで字幕派だったけれど、吹き替えもよくできていた。
特にLGBTの要素を吹き込まれた、ル・フウの声を演じる藤井隆さんが素晴らしかった。


主役のエマ・ワトソンの演技・美貌も国宝もの。
この映画でハーマイオニーを軽くK点越えしているし、
彼女のおかげで後世に残る映画になっているのではないか。

歌も素晴らしいけれど、個人的にダントツ好きなのが、
野獣に図書室に入れてもらって感激するシーン。
本当に本と物語が好きな人がする顔をしている...。
彼女は真のインテリだと感じた。



・・・というように、色々凄いところがありすぎる。


綺麗な映像と、アラン・メンケンの(新曲含む!)素晴らしい音楽
個性があって現代的なキャラクター、そういった要素全てが絡み合って、畳み掛けてくる。
ディズニーに本気でタコ殴りにされる映画。本当にすごい。



自分は単純な人間なので、「永遠の愛」に弱い。


これまで前が見えなくなるほど号泣した映画って、
風と共に去りぬ』とか『カサブランカ』、『博士と彼女のセオリー』とかで、
単なるラブロマンスを越えた「永遠」を感じる瞬間に立ち会うと、心から感動してしまう。


今回、アニメ版に加えて書き下ろされた曲に「Evermore(日本語タイトル:ひそかな夢」という歌がある。
これは野獣が、ベルを愛することを知ったが故に、彼女を自由の身にし、父親の元に帰したあと、その孤独と愛について歌うバラードだ。
そのサビの歌詞がこれ。

Now I know she'll never leave me
Even as she runs away


たとえ愛する人といつも一緒にいなくても、離れてても、
心の中でその人はずっと生きている。
その人の不在さえも受け入れることが愛なんだ、という普遍のメッセージ。


そしてここからがさらにすごい。
クライマックス、ベルが野獣に「I love you」と告げ、
野獣が人間の王子の姿に戻り、キスをするシーン。
アニメ版だと、ここに以下のようなセリフが入る。

王子:「Belle, it's me!」
ベル:(訝しげに王子の髪を撫で、瞳をしばらく見つめてから)
「....it is you!」


このセリフが、なんと実写版では存在しなかった!!!


たった数秒。二人の人間の役者が見つめ合い、キスをする。
それだけなのに、ベルと野獣が心から愛し合っていることが、
スクリーンから溢れる光のように、観客の胸になだれこんでくる。
何度見ても、そこで、私は涙せずにはいられない。


この世界に、永遠の愛は存在すると感じられる。

うん、きっと、本当に存在している。



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長い映画を観るということ

一週間かけて、『ゴッドファーザー』3部作を観終わった。


一般的に言われているように、2や3も決して悪くはないと思うけど、やっぱり第1作が神懸っているように思う。ネットを見ると『カラマーゾフの兄弟』が下敷きになっているようだけれど*1、自分は新約聖書の放蕩息子の話を思い出した。


マーロン・ブランドのドン・コルレオーネが父=神で、アル・パチーノ演じるマイケルが罪人。兄から弟への嫉妬という要素もある。



それで、本筋とは関係ないけれど、PartⅡで"INTERMISSION"のテロップが流れた時、こういうのって久しぶりだなあと、うれしくなった。たぶん、定期的に観てる「風と共に去りぬ」以来かな?(邦画だと、ついこの間「愛のむきだし」を観たけど、あれはちょっと規格外だから別か。)


今、休日に映画館をはしごして2本3本観たりしてるけど、我ながらせわしないな、と思う。昔、3時間も4時間もあるような重厚な映画を観ていた人たちは、どういう気持ちで映画館に行っていたのかな、とふと考えてしまう。


現代だと、歌舞伎やオペラみたいに、週末のちょっとしたビッグイベントみたいな感じだったんじゃないかな。インターミッションの間にロビーで一杯ひっかけて、ラストの展開について語り合ったりとか。


そういえば、江國香織版の『冷静と情熱のあいだ』の冒頭で、ミラノの二組のカップルが映画を鑑賞したあと、パスタとワインを食しながらアレコレ感想を話し合う、という場面があったのを思い出す。余裕があっていい。


映画って、もともとはきっと、そういう存在だったんじゃないだろうか。


平日に仕事が終わって眠る前、布団の中でiPadを手にAmazonプライムビデオを観ながら、そんなことを考えた。
(でも、よく考えたら、今でも大半の人にとっては「ビッグイベント」で、私がおかしいだけかもしれない・・・)



画像は関係なくて、『シン・ゴジラ』の泉ちゃんのセリフ「出世は男の本懐だ」のあとの一言です。「燃え」じゃなくて「萌え」だったんですよ。そんな泉ちゃんに萌えだね!!!



冷静と情熱のあいだ―Rosso (角川文庫)

冷静と情熱のあいだ―Rosso (角川文庫)

理想の死に方


ゴッドファーザー」を観た。



私の母親はこの映画が好きで、小さい頃に家で流れていたのをチラチラ観た記憶があるけれど、きちんとストーリーを追って観たことはなかった。(血が流れたり、おっぱいが出たりするシーンもあるのに、どうやって観ていたんだろう?)


いま、ひとりの大人として観てみると、ややテンポが悪いなーと感じながらも、現代映画の基本的な作りが、ほぼ完成しきっていることに驚く。1972年の映画だけど、90年代末公開です、と言われても信じてしまいそう。


私が小学生くらいの頃、母はよく「ドン・コルレオーネのように、孫と遊びながら死にたいの」と言っていた。正直、孫と一緒とは言っても、暑さの中、発作で倒れるのはあんまり幸福そうには見えない。でも母のその言葉を聞いてから、しばしば理想の死に方について考えながら生きてきた。


(観てないけど)Part3でオペラ鑑賞中に毒入りカンノーリで殺されるのだって、快楽の絶頂のタイミングとは言え、結局は苦しみ悶えるわけだから、遠慮したいなあ。


ミサイルが落ちてきて死ぬときは、即死なのか、それとも痛みはあるのかとか、そういうことを薄ぼんやりと考えた週末だった。

近況と、最近観たやつ(LION、GHOST IN THE SHELL等)

もう数見すぎてわけわからないことになっている。

仕事と家事以外のほとんどの時間を映画に費やしてる。

特に先週は、観るもの多くて大変でしたわ。


手帳に鑑賞メモを逐一書いているんだけど、
こっちの日記に書ききれないのでとりあえず雑コメントだけして、
良かったものについては気が向いたら追記する。


愛のむきだし
長え〜〜〜でも面白かった。
西島隆弘満島ひかりも良いけど、個人的には安藤サクラさんの演技力に圧倒された。

T2 トレインスポッティング
諸々の事情によりもんにょり。唯一ダイアンで泣いた

LION ライオン 25年目のただいま
前半完全にスラドで、ラストわかってるのに泣けてくる。
良いもん見せてもらいました

ゴースト・イン・ザ・シェル
IMAX 3D SUGEEE
バカだから吹き替えでもう一回見たいかも

レゴバットマン ザ・ムービー
バットマンていうか初DCがこれでいいんですかね?笑ったわー

マーズ・アタック!
ナタリー・ポートマン可愛い

ピープルvsジョージ・ルーカス
アメリカのオタクって元気良くてイイよね

メットガラ ドレスをまとった美術館
最高。美術館ドキュメンタリーものにハズレ無し。

ねこあつめの家
にゃ〜ん



今月に入って、2017年の鑑賞本数は60本超えております。こりゃすぐ100行っちゃうな。

4月後半〜5月頭にかけてはペース下げて他のことをしたい。


とか言っていたら追悼 鈴木清順企画なるものを発見してしまい、
GWの映画の予定がダダ崩れして困った。


ツィゴイネルワイゼンはまあマストとして、陽炎座夢二、両方行けるかなあ。

スクリーンで若い頃の加賀まりこを拝みたいので陽炎座かな、と思うけど(出番一瞬だけど)
坂東玉三郎がいるから夢二も捨てがたいんだよなあ。


っていうか先月、鈴木清順の訃報を聞いて大正ロマン三部作のブルーレイBOX買ったばっかりなんすけども・・・でもまあいつか買おうと思ってたし、いいんですけどね。


それにしても忙しいわ〜〜〜


最近観たやつ(キングコング、夜は短し歩けよ乙女)

キングコング 髑髏島の巨神


最高〜〜〜!!!!

シン・ゴジラ以外に怪獣映画をまともに見たことがないので、少し興味の幅を広げられればいいかな・・・というつもりでレディースデーに観に行ったら、メッッッッッッッッッッッチャクチャ面白かった!!!!劇場に人が少ないのを良いことに1/3はニヨニヨ笑ってウヒョーとか言っていた。

いろんなデカいモンスターがガンガン出てきてバリバリ暴れてガシガシ人が死んでいく。世の人々が怪獣映画を好む理由がよくわかったよ〜〜〜!すっごく楽しい。完全に新しい扉を開いた感ある。いろんな映画のオマージュもあるようで、自分はナウシカAKIRAしかわからなかったけど、昔の映画に詳しい人ならますます楽しんだろうなあ。


夜は短し歩けよ乙女


魚眼レンズ風味のカメラワークや、ファンタジーシーンで出て来る大きな悪者?怪獣?の作画が、すっごく既視感があって、観ながら考えていたら「映画クレヨンしんちゃん」のそれだと気がついた。劇場を出てぐぐったら、湯浅政明監督は、クレしん映画の作監をしていた方とわかって腑に落ちた。

最近観たやつ(ムーンライト、ジャッキー等)

ムーンライト

めっちゃ低予算でインディーズな感触なんだけど、映画の出来は予算じゃないという、当たり前のことを強く感じさせてくれる。主人公が成長する度に、色彩のコントラストが強くなっていくところが面白かった。(Twitterで見かけた情報だと、時代ごとにコダックやフジなど、フイルムを使い分けているらしい)

何と言っても「ラ・ラ・ランド」の世界が思い出されて、仕方ない。マイアミとLA。ふたつは本当に同じ国?と疑ってしまう。

とある場面でカエターノ・ヴェローゾが流れたのが思いがけず美しく、なんとも官能的で、良かった。


アメリ

午前十時の映画祭というのを知って、4月がアメリということだったので、早起きして観に行った。画面は大きくてきれいだし、ヤン・ティエルセンの音楽を大きい音で聞けて、とにかく最高体験。何度も観てるけど、主に音の部分で初めて気づいたことがたくさんあって、嬉しい楽しい。

  • 管理人のおばさんが、夫のニセ手紙を読み上げる時に、夫の声の声色が違っている
  • 目が見えないおじいさんが、実はチョイ役で色んなシーンに出ている
  • 録画したVHSを再生する時、わずかにノイズが入っている
  • "Si Tu N'étais Pas Là"が、地下鉄以外にも、いろんなところで流れている(カフェのBGMなど)

などなど。観るたびに発見がある映画は良い。


乱 4K

黒澤映画を映画館で観るのは初めて。すごすぎて何がすごいんだか、もうわからない。不勉強で、ピーターさんが役者をやってたって知らなかった。野上照代さんと仲代達矢さんのトークショーもあって、仲代さんは謙虚でピリッとした雰囲気をまとった、格好いいおじいちゃんだった。最高。


ジャッキー ファーストレディ 最後の使命

全くハリウッド感なくて、フランス映画っぽい。と思ったらワイルドバンチ(ヨーロッパの配給会社)の配給だったので納得。ナタリー・ポートマンは大女優の貫禄がにじみ出てるなあ。

ナタリーがCHANELをまとったシリアス感動作という体を装いながらも、実際は人の死をいかに弔い、受け入れ、物語を生み出すかということに、キリスト教的価値観が覆いかぶさっていて、相当難しい話だと感じた。

www.youtube.com

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件

www.bitters.co.jp


約4時間ある。超長いけど、観る価値ある。画面に見入っているうちに時間があっという間に経ってた。

予告編で「小津安二郎ゴッドファーザーの間に位置する映画」「人生の1日を費やすに相応しい236分」とあって、本当にそのとおりだった。主人公の少年の心の機微が丁寧に語られていて、よく考えれば重苦しい展開なのに、悲壮感がない。

部屋の向こうからドア越しにフィックストのカメラ、抑制の効いた脚本、自然光を活かした昼間のシーン、そして暗闇と僅かな明かりが潜むだけの夜のシーン。まさに青春のきらめきと影、ボーイ・ミーツ・ガール。映画そのもの、というか、映画の中に生きているこの世界すべてを肯定したくなる。傑作。

最近観たやつ(モアナ、LEON、MERUなど)

モアナと伝説の海

CGがすごすぎる。波や風の表現が、アニメっぽいんだけどリアルで、気持ち悪くない。歌は悪くはないけど、アナ雪ほどじゃなかった。核となるモチーフにナウシカラピュタの影を感じたし、海が二つに裂けるのはモーゼの十戒っぽい。


LEON 完全版

やっと、はじめて観た。よすぎる。独特の雰囲気にはまってしまって、観終わってもStingの歌がついて忘れられなかった。ナタリー・ポートマン(12歳)が良すぎる。かわいいというか、まつげの一本一本から爪の先まで源氏の紫の上のようで、この世のものとは思えない。神の造り給いしらうたげなる乙女、という感じ。

映画自体も、最初の殺しのシーン→マチルダの登場〜レオンとマチルダのプラトニックな心の邂逅→ラストの死まで、完璧だった。シーンごとの流れが見事で飽きないし、良い映画のお手本を見た。


ダラス・バイヤーズクラブ

80年代を舞台にした、エイズを患った男の話。感動作ということだけど、個人的には「ショーシャンクの空に」系というか、好きな人は好きなんだろうけど・・・という感じ。

内容よりも、ストーリー構成の妙が良かった。無頼に生きてきた男が病気になるが、医者に悪態をつきながらもショックを捨てきれず、現実を受け入れる・・・というプロセスが、最初の数十分でアッサリ回収される。そこまでがイントロダクションで、エイズを受け入れてから、本当の人生が始まる。そういう進み方が、2014年の映画っぽいな、と思った。


MERU メルー

ラスト上映してるのギリギリ観てきた。ヒマラヤ登山に挑戦する登山家たちのドキュメンタリーフィルム。カメラマンの人、どうやって撮ったんだろう?と思わずにはいられない、断崖絶壁でのキャンプやクライミングにドキドキしっぱなし。出てくる人たち全員狂人にしか見えない。

一人では雪山を登れない。チームビルディングやリスク管理をつねに考えながら目的を達成するプロジェクトマネージャーである一方で、途方もない美を追求する芸術家。それがクライマーという人たちなのだと思った。



12.31公開『MERU/メルー』劇場予告編

私はこの人らの気持ちが想像できない!すごい!!!


ミッドナイト・イン・パリ
夜眠い時に見たせいか、こんなもんかという感じ。主人公のおじさんがムロツヨシにしか見えなくて、おかしかった。

「ひるね姫」と「お嬢さん」

wwws.warnerbros.co.jp


エンディングで流れる高畑充希さんが歌う「デイ・ドリーム・ビリーバー」がとにかく素晴らしい。ほんとうに歌が良くて、それ以外はあんま覚えてない。高畑さんの歌をもっと聴きたいと思えたので良し。


正直、大学生のカップルが春休みに退屈しのぎに観るような、そんな映画だったのだけど(=つまらないという意味ではない)、そういうアニメーション映画の存在だってあっていいよな、と思う。瀬戸内を舞台にしたアニメだと「ももへの手紙」という作品がすごく良かったのを思い出した。



ojosan.jp


エログロホラーは苦手だけど、話題になってるし、まあ観ておくか・・・という感じで観たら、面白かった!!!3月観た中で今のところダントツかなあ。


血がダメな私でもなんとか耐えられるグロさだったし、美術と衣装、そしてお嬢さん役のキム・ミニさんのお顔が、ため息が出るほど美しい。目に入るものがいちいちキレイなので、飽きずに観ていられる。韓国人の俳優さんが話す日本語のセリフは、ちょっと残念なところもあったけど、それでもパーフェクトに楽しめた!原作の「荊の城」も読んでみたいな。スカッと「面白い映画を観たな〜」と思えたのは、ひさびさかも。

「ヨーヨー・マと旅するシルクロード」と「At the terrace テラスにて」

yoyomasilkroad.com


原題、「The Music of Strangers」≒異邦人たちの音楽。ヨーヨー・マシルクロードを実際に旅するわけではなくて、シルクロードの国々の音楽家を集めてセッションをする、そのドキュメンタリー。タイトルはちょっとミスリード

冒頭とラストのライブシーンがとにかく圧巻。民族楽器ってこんな激しい音が出るの???って混乱するほど、ダイナミック。ライブ行きたい〜〜〜!!!個人的には、スペインのバグパイプ奏者と、中国の琵琶奏者の二人の女性がめちゃくちゃエネルギッシュでかわいらしくて、元気出た。



attheterrace.com


演劇を映画化した会話劇。新宿武蔵野館で見損ねて、アップリンクで見た。とにかく中身のない会話が延々繰り出される。劇中の会話が気まずくなると、狭いミニシアターの中の空気もビミョーな雰囲気に成るのがおかしかった。最後の不条理な終わり方も演劇らしい。

(ややネタバレですが)男同士の絡みがいかにもネタとして出てきて、トランスジェンダーものの「彼らが本気で編むときは、」を見たあとだったのもあり、そういう扱いの軽さはどうなんだ?と思ったりもした。