海の響きを懐かしむ

観たもの聴いたもの読んだものの記録と、日記など

にほんじんです2011

研究に直接は役立たないとしても、民俗学的な知見とか、20世紀の日本人の生活の断片に触れたくて、いくつか読んでいるのでメモ。

忘れられた日本人 (岩波文庫)

忘れられた日本人 (岩波文庫)

宮本常一という民俗学者が、大正〜昭和の地方の農村に生きる老人たちにインタビューしてまとめた本。オーラルヒストリーの分野ではよく取り上げられる本らしい。とにかく、むかしの農民の人たちの生き方がわかって面白い。彼らに取って文字通り生は性であって、その奔放な生活の様子を知るといまの我々のエロとのつきあい方が野暮にすら思えてくる。働いて、働いて、食べて、セックスして、生きていくというシンプルさ。そしてそういう毎日を維持するために自然に作られる人々のつながり。かつてそういう暮らしを続けていた人々が生きていたこと、忘れないでいたい。


日本八景―八大家執筆 (平凡社ライブラリー)

日本八景―八大家執筆 (平凡社ライブラリー)

8人の作家や詩人、画家が日本八景についてそれぞれ語ったアンソロジー。ダントツで面白かったのは北原白秋、次に幸田露伴かな。北原白秋は名前しか知らなくて、読み終わってから絵本や童謡も手がけていたと知って納得。こどもをみるまなざしが優しい。泉鏡花は教養として何度か読んでみているけど、わたしの感じ方が悪いのか、美を感じたことは一度もない。とらえどころがなくて読みにくいし。

この八景は、昭和2年に行われた国民投票で決定したらしいのだけど、投票総数は当時の日本の総人口の1.5倍にもなる約9,300万通だったらしい(from wikipedia)。さらにこの4年前には関東大震災が起こっているということで、国民の注目が非常に高かったことが伺える。読みながら、八景自体にはそこまで興味が湧かなくて、ああ日光もっかい行きたいなあとか思った程度だったけど、せっかくこういう時代に生きているのでエア八景でもしようかなと思って、マイマップを作ってみた。


より大きな地図で 日本八景 を表示

作ってみてなんだけど、リアリズムが皆無すぎる・・おののくような滝の音や、悠然とした山のすがたを前に、当たり前だけどWebの持つ力はミジンコ過ぎる。