海の響きを懐かしむ

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赤毛のアンを音でふりかえる(その1)

赤毛のアン―赤毛のアン・シリーズ〈1〉 (新潮文庫)

赤毛のアン―赤毛のアン・シリーズ〈1〉 (新潮文庫)


約1年かけて「赤毛のアン」シリーズ(アン・ブックス)全十冊を読み終わった。確か、きっかけは昨年の夏に観た「借り暮らしのアリエッティ」だった。映画情報を調べていたら、たまたまシネマ・アンゼリカという渋谷の映画館で、宮崎駿高畑勲が関わっていた世界名作劇場赤毛のアン」が上映されるというので観に行ったんだった。8月のガラガラの映画館で、おしゃべりでおっちょこちょいなアンを愛おしく思いながら観たのをおぼえている。

そのあと軽い気持ちで原作を読み始めたら、孤児の少女アンが青春を経て、子どもを産み母になるまでという、話の内容こそミニマムだけど実態はスターウォーズ的に壮大なスケールの物語だった。分厚い新潮文庫の中のお話の大部分は、彼女とその周りの人々の日常の話(特に色恋沙汰)で進んでいく。よくもわるくもサザエさんとかちびまる子ちゃん的な、面白いけど正直どうでもよくもある小話が延々と続く。途中で何度も、あぁたるいなあ、と思い、惰性で読んだところもあった。でもあるとき、年下の従姉妹にかまってあげてるような、たまにしか会わないけど気になる友だちの話を聞いてるみたいな、そんな存在にアンがなってることにふと気づいたのだった。

私的に一番面白かったのはやはり一巻、ついで三巻、六巻。十巻に関しては、すこし毛色が違うので、別エントリに書くことにして、これからすべてを振り返っていきたいと思う。といっても忘れているところもあるし、全部書いていたらキリがないので、一巻から九巻まで、それぞれ一曲を連想していこうと思う。やってみてわかったのは、いま読んでいるマクルーハン的に言うと、アンの世界はとても視覚的だということ。それは人物が視覚的にしか世界を捉えていないという意味ではなくて、描写の問題。うまく言えないけど、同じ小説でもモンゴメリから対極にあるものとして川端康成があるかなあと思った。西洋的、と言い切れるほど文学や批評をわかっていないけど。

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1 赤毛のアン

やはり、アニメの印象が強い。私の中のアンは、アニメよりは目が大きくて声も甲高くはないイメージ。アンはよくしゃべる。それを聴いている(読む、ではない)だけで一冊が終わる。楽しい。


2 アンの青春

一巻よりも、失敗や恐れ、不安といったものを知ったアンの揺れる心がよく描かれている。ティーンエイジャーのきらめき。


3 アンの愛情

タイトルの通り。最後のページをめくってすぐにこの曲が浮かんだ。愛を知る、ということ。


4 アンの友達

正直、うーんつまらんと思いながら読み進めた。アンがほとんど出てこず、まわりのひとびと(しかも老人が多い)のドタバタが進む。モンゴメリ的には、アンばかり書いていると飽きるし疲れるという理由なのかもしれないけど、こちらとしては、社会科見学でひたすらつまんない話聴いているようなそんな気分だった・・あまりにもつまらなかったので、関係ない曲を貼っておく・・・:D


5 アンの幸福

全編通して、新婚ほやほやのアンが夫に綴る手紙の文体で進む。ひたすら友達の惚気を聴かされている感じ。穏やかな風が吹いて、タイトルの通り、当たり前の幸せのかけがえのなさを知る。


6 アンの夢の家

おそらくシリーズの中で一番おとなっぽく、しっとりとしている巻。成熟した大人の物語とまではいかないけど、成長したアンを主軸とした事実上最後のお話。黒人さんのソウルっぽい歌が似合うと思ったので。


7 炉辺荘のアン

雰囲気としては第一巻、二巻に似てきている。子どもが生まれて、子育てや家事に追われるアンやわんぱくな子どもたちの様子がひたすら描かれる。内容も、どこぞのおばさんが迷惑だなあとか、子どもがいなくなって大騒ぎとか、下着がどうだとか(笑)ひたすらそんな話が続く。


8 アンをめぐる人々
だんだん曲選びが苦しくなってきた・・・:(

路線としては第四巻と同じで、周囲の人々にスポットを当てている。でも前よりはドラマチックな短編が多くて、多少ファンタジーが混じりすぎていきらいはあれど、楽しめた。


9 虹の谷のアン

この本から主人公は完全にアンの子どもたちに移る。たくさんいる子どもたちがとにかく覚えきれないのだけど、その中でも次男ウォルターが好きかな。センチメンタルな少年キャラが◎。