海の響きを懐かしむ

観たもの聴いたもの読んだものの記録と、日記など

完璧な幸福/ecoute

とても大切で、心から尊敬していて、その幸福を願ってやまない友人がいる。その子が、わたしをとある乗馬会に誘ってくれた。牧場から連れてきた馬たちに、一般の子どもや障がいのある子たちを乗せてあげるボランティアのお仕事。団体にはいろいろな人がいて、社会人や年配の方、同世代の若者と話ができてとても楽しかった。初心者で首ひもを引きながらまともに歩くこともできなかったけど、快く受け入れていただき、いろいろなことを教えていただいた。朝早くから夕方まで、夏の一日をそうして過ごした。時計も携帯もなにも見ずに日中を過ごすなんて、ほんとうに久しぶりで、こうした穏やかな気持ちをくれた友人に、改めて感謝したい。


馬は耳が良い。人間の言葉を理解しているわけじゃないと思うけど、よく耳を動かして、世界を静かに「聴いて」いる。草食動物の生きる知恵なんだろう。だからわたしも聴いた。家族連れと子どもの笑い声。馬のひづめの音。ボランティアの方々や友人の他愛のない会話たちと、その背後にある暮し。やわらかい風と、雲越しに照りつけるような太陽の日差し。


耳を澄ますと、誰もが皆素朴で、心を曇らせるようなものは何も無かった。ただ日曜の昼下がりの、完璧な幸福が、そこには在った。

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