海の響きを懐かしむ

観たもの聴いたもの読んだものの記録と、日記など

サービスガール(※非エロ)

課題をぶっちぎって大学を読んでいる。だけども先週は風邪をひいてほとんど何もできなかったので、今週はいろいろやるべきことをきっちりやっていきたいところ。


「場」とはなにかについて、なるべく早急に、自分の中で定義づける必要がある。もちろん、工学的/量子力学的なfieldではない意味で。現在は、「声が聴こえる」範囲が場であると、なんとなく考えているけど、もろもろのinputを経て、組み立てていかねばなるまい。今日は先生に「風姿花伝」をお勧めしていただいたので、早速明日読むつもりだ。


冷たいおいしさの誕生―日本冷蔵庫100年
ディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)
もうおうちへかえりましょう (小学館文庫)
最近は読書も怠っていた。穂村さんのは、バブル世代とそれ以降の現代短歌の比較、みたいなエッセイが面白かった。
ディアスポラは実は読んでいなかった。わたしにはギリギリ面白くない(理解できないわけじゃない)イーガンだった・・短編の方が気兼ねなく読める気がする。詩的表現の少ないハードSFはどうしても苦手だ。自分の文系脳を再認識。

あと「冷たいおいしさの誕生」。いま半分くらい読んだけど、これがすっごく面白い。冷蔵庫というテクノロジによって、日本人は、人類は、キンキンに冷えたビールや、マカロニグラタンのインスタントな味をはじめて知ったんだ。お風呂上がりの牛乳やかき氷の歴史は意外と浅いものなのだ。そうした、冷やし、保存する技術の歴史を通して日本の生活様式を見つめ直している本。特に面白いのが、昭和初期の「サービスガール」というひとたちのこと。

電鉄会社や電力会社は電化製品を販売するために、事前に購入予定者名簿を作成し、さらに勧誘販売員が戸別に家庭を訪問するという方法をとった。このうち阪神電鉄には女性の勧誘販売員がおり、「サービスガール」と呼ばれていた。
その販売の様子が述べられた資料として、昭和十年頃、サービスガールとして働いていた井上八重子の体験記「電気のお姉ちゃま サービスガールの家庭訪問期」がある。(中略)

はじめは伺っても居留守を使われる事が多く、イヤになる日々だった。そこで井上が考えたのが、「電気のお掃除をしに参りました」と言って電気機器の掃除をしながら、まず女中さん相手に世間話などをするという方法である。そして時期をみて、そのお宅で買っていただけそうなものを思い浮かべて切り出すと、たいてい買ってもらえるようになったという。(中略)

モニタトップ型の冷蔵庫は、放熱しやすいよう機械部分がキャビネットの外に設置してあるのに、(女中さんが)塵が積もらないよう布を被せていたのである。彼女はこの後、黄色くなった電気冷蔵庫を掃除して、さらには電子レンジ(オーブン付きコンロ)の簡単な修理までこなしている。そして、その後何度か訪問するうちにいろいろな器具も買ってもらえるようになったという。

なんとも手間をかけた勧誘であるが、(中略)身近な大企業が顧客を絞って個別勧誘することで、電気冷蔵庫はじわじわと過程に浸透し始めたのである。

たぶん今で言うテクニカルセールスのはしりなのだろう。それにしてもかっこいい。こういう存在になりたい。人々と面と向かって対話しながら、技術ですこし幸せをもたらして、お金も稼ぐ。エレベーターガールよりもこっちのほうが惹かれるな。しびれる。