海の響きを懐かしむ

観たもの聴いたもの読んだものの記録と、日記など

パリ北駅から遠く離れて(あるいは、タルコフスキーの湿度の高さ)

The Flying Club Cup

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ニューヨークのバンド・ベイルートによる3rdアルバム「The Frying Club Cup」がとてもよかった。彼らの作品は1stから最新作の4thまで一通り聞いたけれど、これが一番素晴らしい。

 

アメリカ大陸、特に南米で受け入れられているというのも納得だし、その根本を探ればガルシア・マルケスなんかと同じだと思う。

つまり、大西洋の水の匂いがするのだ。自分たちがどこからきて本当はどこにいたいのか、魂のゆくえを求めて、さまよっている。アイデンティティなんて言葉の軽々しさとは裏腹の、もっと深い次元で。それなのに世界との関係を相対的に捉えてて、ドライで、そこに胸がかきむしられる。

 

つまりそこで描かれているのは、誤解を恐れずに言えば森茉莉のいう「欧羅巴」に近い気がする。それは郷愁であって、帰るところなんかじゃないのだ。