海の響きを懐かしむ

観たもの聴いたもの読んだものの記録と、日記など

読書(6月後半)

 砂の本 (ラテンアメリカの文学) (集英社文庫) お伽草紙 (新潮文庫) アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229)) 宇宙でいちばんあかるい屋根 (角川文庫)

 

・砂の本

相変わらずのボルヘスで、一読しただけでは何もつかめない。かぎりなく夢に近い。表題の話と、辻原登の解説が面白かった。

 

盲人独笑

 上記の解説の中で、葛原勾当という江戸の全盲の箏曲家の存在を知った。彼は、目が見えないながらも自分で木製活字をつくり、それを用いて日記を死ぬまでつけていたという(『葛原勾当日記』)。その日記の一部を紹介している太宰のこの短い手記を読んで、この人にさらに興味を持った。日記そのものは、国会図書館にはあるようだ。読みたい。

 

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

正直私の趣味ではないなと思ったけれども、映画は観てみるつもり。

 

・宇宙でいちばんあかるい屋根

中学生のとき、Teenageというアンソロジー本に入っている「ハバナとピアノ、光の尾」という短い小説にとても感動したことがある。キューバを舞台にした幻想的な短編で、遥かな島国への淡いノスタルジーを無理矢理にでも読み手に抱かせる話だった。彼女は元音楽ライターで、Buena Vista Social Clubにもインタビューしたことがあるという。やわらかいけど淡々としていて、そしてたまにどうしようもなく「良い」としか言えない描写がある。ストーリーがやや退屈なのが残念。

 

そのまま亨くんの腕が顔のうしろにのびて私をひきよせた。

私の全身は車椅子の亨くんの上で大きくかしぐ。彼の胸のなかで全身の力がしゅわしゅわぬけていく。

『宇宙でいちばんあかるい屋根』 角川文庫 P.154