海の響きを懐かしむ

観たもの聴いたもの読んだものの記録と、日記など

物語に没入することと、チャラくあること

悲しみよこんにちは (新潮文庫) ある微笑 (新潮文庫)

1.

連日のじっとりした暑さを、コンビニエンスな涼しさで乗り越えるのではなしに、心地よく感じたいと思って、初めてのサガンを読んだ。

「悲しみよ こんにちは」は、赤毛のアンに性と倦怠を足したような、もしくはツルゲーネフのはつ恋を女のほうから現実的に見つめたような小説だった。蒼い表紙は倦怠をも包み込んで、完成されたパッケージになっていた。

でも、どちらかというと、学芸大の古本屋で買った「ある微笑」のほうが好みだと思った。外的な物事や他者によって、自分の価値を決定するのは楽なのだ。それは単純な善悪で切り分けられるものでもないのだし。

 

2.

最近、大げさに言って、小説を読んでいるときと、夢を見ているときだけが幸せだ。しかしそれ以上に、逃げられることそのものが大きな祝福だと自覚した上で、逃避するときは徹底的にやろうと思っている。すなわち物語に没入するということなのだが、その入り方が今までと少し違う。以前ある人に「小説は際限がないから読まない」と言われたことを想い出す。

熱帯夜のせいか、悪夢を見ることが多い。夢のなかぐらい、夢見させてくれよと思う。

 

3.

集英社のナツイチや角川の文庫祭みたいなフェアが好きだ。漱石、太宰、川端、安吾。。ブランドコラボやAKB、写真家・マンガ家使ってどんどん新しい・面白い表紙で出してほしい。こういうものは、昔は訝しい目で見ていたが、読書そのものがただのチャラい行為だと思うようになってからは、許せるし大好きになってしまった。あと、お祭り人間だし。チャラさは正義だ。