海の響きを懐かしむ

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気になっていた本

頼れない国でどう生きようか (PHP新書)

頼れない国でどう生きようか (PHP新書)

気になっていた加藤さんx古市さんの対談本を読んだ。とにかく正反対なふたり。最初は、互いのことを手探りで知ろうとするかのごとく、細かい話から始まっていたのが印象的だった。本の読み方や情報技術との付き合い方、人脈の活用、などのプラクティカルな話。徐々に、国家をまたいだ大きな話に広がって行く。そこで交わされる言葉は、意見のぶつけ合いではなく、一緒に模索をしよう、という建設的なもので、好感が持てた。

 

お二人の言葉で、それぞれ、いいな、と思ったものがあるので、引用したい。

 

加藤

(略)例えば、日中英の三カ国語で同時にコラムを書きながら発信している日本人は、ほとんどいない。少なくとも僕はそういう人を知らない。それを自分がやっているということに、僕は一つの価値観というか、美学を見出している。(p.33)

 

加藤

真の意味での翻訳者は目指したい。異なるプレイヤーの間で、政治を訳す。価値観を訳す。体制を訳す。文化を訳す。そして、生き方を訳す。ミッションとして自覚もしている。(P.245)

 

加藤さんのこういうところはめちゃくちゃかっこいいし、心から共感できる。フィールドもスケールも遥かに小さいけれど、自分にも、こういう美学のようなものを大事にしたい気持ちがあるんだ。(情報技術を作る人と、使う人の間の翻訳者になること。また、そこで消費されない強さも持つこと。)

 

古市

あらかじめ全体を志向するのではなくて、一つ一つの個別の点をつなぎながら、なんとか全貌らしきものを想像する。それは最近の社会科学の風潮の一つです。(P.176)

 

これは小熊さんの新書で改めて学んだことである。

それから、古市さんが高校生のときに書いた詩が載っていたのと、それについて言及した加藤さんのあとがきが、読み物としてよかった。お二人に実際に会ってみたいし、『本気になったら、意外とどんな人にでも会える』と古市さんが言っているように、大小含めて行動を積み重ねていれば、本当に会えるような気がする。幸せは、変化は、アクションありきだと思っているから。