海の響きを懐かしむ

観たもの聴いたもの読んだものの記録と、日記など

湯気の響きを懐かしむ

うちのキッチンには薬缶がない。ウォーターサーバとピピっとコンロが導入され、お湯を沸かすという行為自体が姿を消してしまったのだ。おかげでコーヒーをドリップすることができなくなって、私の深夜作業は少し貧しくなったと言っても過言じゃない。半年以上合羽橋にいかなきゃと、思ったまま実行できないでいる。

もっと最悪なのが電子レンジで、コイツは中に入っているものを自動で暖めるのだが、これが不便なのである。てゆーか、あったまんないし。しょうがないから、わざわざ手動モードにして、余計なボタン操作をするはめになる。昔のアナログな電子レンジに戻りたい、とぶっちゃけ思う。

夕飯を作るとき、まず母はiMacでクックパッドにアクセスする。作る料理を決めたあとは、iPad2で同じページをアプリから開いて、買い物と料理をする。調理の間にはみみもとくんでTVを聴いてiPhone5でなめこも育てる。そんな彼女の最近の趣味は、パナソニックのホームベーカリーでナッツとチョリソのパンを作ることだ。

しかし正直な話、ものすごいおいしいというわけではない母の料理の味は(ごめん)、こういうデバイスが入ってきたところで何か変わるわけでもない。でも、本人が楽しそうだから別に構わないと思う。食洗機に効率よく食器をおさめるのは子どもの仕事だ。

 

これが2012年のキッチンの一つの姿。良いか悪いかは別として、デジタル技術は私(たち)の生活を変えている。ドラスティックなまでに。サーバから出てきた冷水が食道を通るのを感じながら、何を考えるべきなのか考えている。