海の響きを懐かしむ

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女の一生 (新潮文庫)

女の一生 (新潮文庫)

モーパッサンは、自分が少しも好きではないエッフェル塔のレストランで、しばしば食事をした。だってここは、私がパリで塔を見ないですむ唯一の場所だからさ、と言いながら・・・。(ロラン・バルトエッフェル塔」/宗左近 諸田和司訳)

という話を、エッフェル塔に行った時に思い出した。そういえばモーパッサンを読んだことはなかったなあと思って、「女の一生」を読んでみた。

最初、赤毛のアン三島由紀夫風の恋愛賛美かな、と思ったけど、途中から辛くなってきた。人物に感情移入するのではなく、人間の下世話さをひたすらなぞる感じだった。ストーリーの流れから「下流の宴」を思い出さずにはいれなくて、繰り返される人間の頭の悪さに嫌気がさした(林真理子が参考にしたのかは定かでないけど、元ネタはこれなんじゃないだろうか)。そしてキリスト教の力の強さはおそろしい。何度かここに書いているけど本当に新約/旧約聖書とギリシャ神話、シェイクスピアは押さえないといけないなあ。

もう一つ思ったのは、20世紀の数多ある発明の中で、実は一番すごいのは避妊具なのではないか、ということだった。自分はフェミニストだと思っていないけれど、出産をコントロールできるようになったことは、実は近代文明にすごい影響を与えてるのかも、とか考えた。

リアリズム文学、なんて高校の授業で聞いた記憶しかない程度なんだけど、wikipediaを読んでみて、なんとなく流れがつかめてきた気がする。前に読んだツルゲーネフ坪内逍遥と繋がってきて、頭の中に少しずつ枠組みができてきて楽しい。ゾラを読んでみてから破戒や蒲団を読めばいいのかな。こういう風に、最近は物語そのものを追うだけじゃなくて、考えながら小説が読めるようになってきて、これは結構いいことだと思ってる。