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海の響きを懐かしむ

さみしくはない

ダロウェイ夫人

読書 映画

ダロウェイ夫人 (光文社古典新訳文庫) めぐりあう時間たち [DVD]


ウルフ『ダロウェイ夫人』読んで、その後に『めぐりあう時間たち』観た。

ミセス・ダロウェイの在り方は、自分が大切にしている精神の態度に近くて共感できた。それはソンタグ的に言えば清冽さとかseriousnessとか、大雑把にはそういうふうに形容できる。要は女性として、女性性みたいなものを一旦蚊帳の外に置いた上で真摯に生活を組織するってことで、大小の感情のゆらぎさえもきちんと受け止められたとき("愛せたとき"じゃない)、初めて満足に生を感じることができる。そこに、性愛が直接的に作用することは、あまりない。むしろ同じ性を持つ人々への共感に思いが向けられる。それが、ウルフもソンタグも、フェミニストなんていうやや乱暴なカテゴライズをされてしまう所以のように思える。

わたしたちは本質的な個性を持たない。今日なすべき仕事があり、明日会わねばならぬ人がいる。生活者として生きる権利と義務がある。その瞬間瞬間にみずみずしさを投影できたらどんなにいいだろうと、彼女たちは(わたしは)いつも望んでいる。