海の響きを懐かしむ

観たもの聴いたもの読んだものの記録と、日記など

恋と革命と、91台のドラム・セット

恋愛作法 愛についての448の断章 (集英社文庫)

FREEDOMMUNE 0<ZERO>ONE THOUSAND 2013

 

フリードミューンに初めて行ってきた。

終電前に帰ったので、あまちゃんバンドも冨田勲も観られず。イベントの雰囲気だけわかればいいかなと思った。想像以上に低予算フェスで、この手の屋内イベントだとWIREしか行ったことないけど、そこと客層もずいぶん違っていた(黒髪の人が多い/ガラの悪そうな人が少ない、等)ステージの作りも、最低限必要な物しか無くて、「無料で音楽が聴けて、ちょっとお酒とご飯があればいいよね」みたいなシンプルさを感じて、すごくよかった。要は、広告代理店の気配をそこまで強く感じなかった。DOMMUNE、ライトユーザどころか一度小室哲哉氏の配信を観ただけなんだけど、来年以降も継続してもらえたらいいと思う。入場料のつもりで、寄付を入れた。

 

ZAZENもボアダムスもTOWA TEIもかっこよかったんだけど、それよりも45分弱の瀬戸内寂聴氏の講演が、今でも印象に残っている。まず、91歳の方があれだけ矍鑠としゃべっているっていう事実に驚きを隠せないし、何もしがらみなく、若い世代への親しみを持てているのがすごいと思った(だから招待されたのでしょうが)なんか、友だちになれそうな気がした。終始飛ばし気味で、笑いが絶えなかった。すごいことだ。

言ってること、必ずしも共感できることばかりじゃないし、いくつかの過激な主張がどこまで若者に受け止められていたかはわからないんだけど、それをありあまってカバーするエネルギーがあった。自分の意見をはっきり言ったあとに、何度も「もう死ぬんですから」って言っていたのが、笑えるようで、笑えなかった。その場でぽっくりしてもおかしくなさそうなテンションで、ちょっと異様な雰囲気の現場で。

 

「私を批判する人もたくさんいたが、そういう人たちはみな死んじゃいました」みたいなことも言ってた。長生きという事実は、それだけで、他のどんな価値観もはねのけて、圧倒的な説得力を帯びてしまうんだなあと。ちょっと怖いなとすら思った。長い歳月を生き延びた人は、良くも悪くも、それだけで強靭な鈍器のようになってしまうのだ、という現場を目の当たりにできただけでも、幕張まで行った甲斐はじゅうぶんにあった。

 

帰り道、ちょうど数日前に読了した宇野千代のエッセイのことを思いだした。世代的にも守備範囲的にも、きっとふたりは関係あるはずと思って、調べたら、対談本が出ていた。機会があったら読みたいけど、書いてあること、読まなくても、だいたいわかる。

私は夢を見るのが上手 宇野千代 著 - うちこのヨガ日記

こういう女の人は、いつの時代もいるのでしょうし、実際わたしの周囲にも思い当たる人がいる。のだけども、20世紀という時代のある特異性が、猪突猛進的な彼女たちを創りあげたような気もしている。そこに向けて自分自身がどう関与していこうかっていうのは、最近の悩みだったりは、する。だってわたし、21世紀を、下手したら100年近く生きるかもしれないのだから。

 

最近エグザイルのコンサートに行って楽しかったという寂聴さんは、物珍しさと好奇心が充満したフロアに向けて、こう言い放っていた。

 

「いいですか、あなたたちがやるべきことは、恋と革命です。」