海の響きを懐かしむ

観たもの聴いたもの読んだものの記録と、日記など

LOVEマシーンから生産された恋するフォーチュンクッキーという普遍(みんなはたらいている)


恋するフォーチュンクッキー STAFF Ver. / AKB48[公式] - YouTube
恋するフォーチュンクッキー サマンサタバサグループ STAFF ver./ AKB48[公式] - YouTube



タイトルは適当ですごめんなさい。


恋するフォーチュンクッキー、スタッフVer.がやっぱりたのしい(再生回数300万超えてた)

ステロタイプな赤文字系ギャルが踊りまくるサマンサVer.も楽しいけど、見ていて目が行くのは、一瞬映る社長さんや男性スタッフが踊っている場面だ。この動画みてると、14年前、朝のニュースで、サラリーマンのおじさんたちが新橋のSL広場でウォウウォウウォウウォウやっていた映像を思い出してしまう。みんなも社長さんも歌って踊れる。わたしも配信で買いました。AKBにとくべつ関心のない人もヘヘイヘ〜イと踊っているのを見たし、売れるのだろうなあと思う。


「恋チュン」がLOVEマシーンと決定的に異なる要素が歌詞だ。
それまで「センター」(という単語は当時はなかったと思うが)という概念があまり定着せず、ふわふわとしたステージングだったモー娘。が、決定的なスターシステムに移行したそのきっかけが、後藤真希だった。LOVEマシーンの主人公はたくましい。有り余る若さと美貌、不況にめげない精神と未来への渇望を併せ持った人。後藤真希はそれを体現するキャラクターとしてドンピシャにハマった。それが、結果として彼女たちを「国民的アイドル」に一気に押し上げた。彼女がセンターでなかったら、きっとこの曲の売り上げは違っていたのだろうと思う。*1



対して、恋するフォーチュンクッキーの主人公は「一般人」だ。動画に出てくる警備員のおじさんも、バイヤーのおねえさんも、そして指原さんも(失礼)、誰もが振り向く大スターってわけではない。これは推測だけど、秋元康は、指原莉乃というキャラクターを利用して、LOVEマシーンの後の世界を書きたかったのではなかろうか。「ほんとナイスバディ」でもなければ、まして「日本の未来」を背負っているわけではない。明るい未来に就職することはむずかしいしありえないことが、なんとなく共有されているいま、「未来はそんな悪くないよ」と思って生きていくほうが楽だし、たぶん賢いのだ。


みんな、働いている。生活があって仕事があって、そしておそらくその仕事は面白くないこともあるかもしれない。特別な存在になる瞬間なんて、あっても本当に一瞬だ。けれど明日も繰り返さなきゃならない、同じことを。その一瞬一瞬をできるだけ笑顔で、楽しくあろうとする元気を、「恋チュン」は与えてくれる。ような気がする(まじで)


へへいへ〜イ♪

*1:このあたりのモー娘。考については、赤坂真理著『肉体と読書』に詳しいです。朝日新聞に掲載されていた短いエッセイ集ですが、ユーミン、モー娘。をはじめとするポップスの時代性を絡めた批評集としてもものすごく鋭いです。絶版本ですがとてもおすすめ。