海の響きを懐かしむ

観たもの聴いたもの読んだものの記録と、日記など

与謝野晶子 文芸館

関西に行ってきた。今回の旅の目的の一つは堺にある与謝野晶子文芸館に行くことだった。



駅前の商業ビルのなかにある小さな施設で、常設展がアルフォンス・ミュシャ与謝野晶子のふたつだった。両者に接点はないけど、明星のブックデザインがミュシャの絵をもろパクリしたりしてる関係から、こうなっているっぽい。ひとつの券でふたつぶん見られる。
 
わたしは晶子さん目当てで行ったけど、ほとんどの人の興味はミュシャにあるようで、小さいながらもぽつぽつ人がいた。


ミュシャの絵、嫌いじゃないけど、好きと呼ぶにはなんか抵抗がある。ラッセンを絶賛するのと同じような感じがしてしまう。
もんもんとしながら展示を見てたら、ミュシャは後年カルトにハマってスピリチュアル系の絵を描いてましたみたいなことが書いてあって、あながち間違った認識でもないかもと思った*1


晶子さんのほうの展示は、思った以上に展示品が少なかったけど、実際に使ってた化粧台とか羽織りとかがあって、おお、って感じだった。なんかの本にもあったけど晶子さん自身はそこまで美人な人じゃない。それを本人もわかっていたはずなのに、若さや美貌を全面に押し出した作風のものを生み出せたのはすごいと思える。
後年は学校を作ったりして、フェミニズムのはしりみたいなこと(しかも割と過激な)を言ってる。全部には共感できないけど、こういう人がいたおかげでわたしたちが今自由にものが考えられることは、事実だと思う。


売店で、みだれ髪の復刻版があって、これを買うために大阪に来たのだと思った。復刻版が出ていることすら知らなかったのだけど、きっと世には存在してるだろうと思ってたから。
こういう出会いがあるとほんとうにうれしい。

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以前関西に来た時は、ブックオフで買ったボロボロの新潮文庫版「みだれ髪」を持ってきていて、心酔していた。懐かしい。ベタベタだけど、「清水へ 祇園をよぎる桜月夜 こよひ逢ふ人みなうつくしき」とかが好き。


ロビーに短歌投稿コーナーがあったので、下手くそながら一句詠んで、帰った。



夏の朝 開けた窓より 吹き込むは
生駒の山の月のおもかげ





*1:でも、一枚だけ大きな油彩画があってそれは印象に残った。商業的に成功することと、描きたいものを書くことは切り分けられる人だったのかもしれない