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海の響きを懐かしむ

さみしくはない

少女七竈と七人の可愛そうな大人

今までの読んだいくつかの桜庭さんの作品の中で、赤朽葉家の伝説の次によかった。彼女が書く性描写はどうしてこんなに静謐に思えるのだろう。性といっても直接的な表現があるわけでもないのだけど。エロよりも淫蕩、アダルトじゃなくて春画、そういう感じだ。つまり、汚らわしい感じが全くしないのだ。


同性の作家の、こういうインモラルな要素を含むお話にありがちな嫌悪感が全くないせいな気がする。主要な登場人物たちは美少女だったり淫乱だったり、つまりどこまでも「おんな」なのだけど、彼女たちは同時に男であるように思う。女性性という刃を振り下ろしたときの、断末魔のような悲鳴がそのまま詩になったような、そういう小説だった。