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海の響きを懐かしむ

さみしくはない

私の耳は貝の殻 海の響きを懐かしむ

SONY ブルーレイディスクプレーヤー/DVDプレーヤー BDP-S1100

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コクリコ坂から [Blu-ray]

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買った。服とかガジェット以外で、自分のための大きい買い物は久しぶりだ。

風立ちぬ』にしようか迷おうとしたのだけど、発売直前だったのと、こちらのほうがもう一度観たい気持ちが強かったので、『コクリコ坂から』にした。


この作品は本当に不思議で、熱狂的に好きというわけではないのに、気になって観てしまう。なんとなく部屋の隅に置いてある、もらいものの雑貨みたいな感じ。


不完全な部分が多いのが、逆にしっくりくるのだと思う。よく観てると、なんでコクリコ荘は女ばかりなのかとか、松崎家の人間以外の女性たちが下宿しているのかとか、主人公のあだ名が海=メルなのかとか、説明がない。戦後の残像をのこした日本の60年代、という設定も一見わかりにくいし、まとまってない。ディテールをちゃんと理解するために観る者にそれなりの知性を強いていて、そういう意味では全く「ジブリらしく」ない。学園闘争が絡んだシーンとか中途半端に積極臭くて、はっきり言って嫌いなのに。でも、時間が経つとまた観たいなって思う。


吾郎さんの作品(とはいってもゲド戦記は観ていないので、一作しか知らないが)は、リズムがいいと思う。台詞と台詞、台詞と音楽のかぶせ方が少しつんのめっていて、それが今の自分の生きるテンポと合っている気がする。駿さんの映画にあるような『人智を超えたもののけ感』『圧倒的なファンタジー』はないのだけれど。例えば他のアニメ、攻殻機動隊やパプリカなんかが全科目平均点以上のテスト結果だとすると、コクリコ坂からは国語と音楽だけ学年トップで、一部は赤点取っちゃったみたいな感じ。


でもやっぱり武部聡志さんのジャズを下敷きにした音楽と、みなとみらい以前の横浜が舞台であることが、一番の魅力だと思う。日常の哀切と、背後にある圧倒的な重たさと、それを振り切らんとする明るさ。ゆるい坂を降りてゆけば夏色の風に会えるかしら。夕日の中めぐりあえばあなたはわたしを抱くかしら。


60年代の横浜と言えば、『月曜日のユカ』もあったなあと思い、調べてみたら安かったのでこれも買った。そういえばこれも、明るくて重たい話だった。

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