海の響きを懐かしむ

観たもの聴いたもの読んだものの記録と、日記など

夏の思い出

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BankART Life4 "東アジアの夢"


横浜でよくわからないアートを観る。


木造の小屋みたいな空間内部に無数の人の影がプロジェクションされていたりとか、低音がドーンドーン言ってるだけの箱とか。本番前の芝居の稽古場と、展示場がひとつづきになっていたり。


よくわからないアート、前は、そこから何かを汲み取ろうと、自分の言葉にできるものを掴み取ろうとしていたけど、ある時からどうでもいいやと思えるようになって、そこから楽しくなった。わたしにとっての現代アートは、リア充のためのものだ。一人で観たって何にも面白くない。映画やおしゃれカフェが台本ありきの芝居だとしたら、もうちょっとだけ高度なことを要求される。まるで舞台の上にぽーんと放り出されてエチュードをしてみなよ、と言われている気分になる。メタなコミュニケーションだから、行くと疲れる。でも、何かを鍛える機会にはなる。何かがなんだなんて、わたしにしかわかんない。


原口典之のオイル・プールを、幾年越しに見ることができた。底無しという言葉がぴったりの黒で、窓の向こうの夕暮れの青との対比がきれいだった。それについていつか話ができたらいい。


観覧している最中から、外でズンドコ大きな音がしていて、うるさいなあ、と思っていた。LIVE MONSTER LIVEという野外ライブを赤レンガ倉庫でやっていたようで、その音が、抑えきれないとばかりに横浜港じゅうに漏れ出していた。気づかなかったけどDirty Loopsも出てたみたいだ。

食事をして、大さん橋を歩きながら余韻を踏みしめていたら、対岸から吉田美和さんの陽性の歌が聞こえてきた。海が歌を運んできていて、たくさんの二人一組が、今度はプロット通りに、港に等間隔に並んでいた。二人でいるということと、個性を尊重するというやり方は時として相反する。誰もが景色の一部になって、海風の上にとろけていた。「何度でも」のコーラスとともに花火が打ち上がって、今年は花火を見るのは最初で最後だなと悟った。平成26年の夏です。