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海の響きを懐かしむ

さみしくはない

灯台へ

灯台へ (岩波文庫)

灯台へ (岩波文庫)


やっぱりこの人の文章は緊密という言葉がしっくりくる。
幸福感に裏打ちされた緊張感と、ためらいを表出することへの迷いのなさがある。
特に1章と3章をみじかくつなぐ2章の、スナップ写真を連続させたフラッシュバック映像のように鮮やかで、時が止まる一瞬を掴むような描写には唸った。
でも、オーランドーやダロウェイ夫人のほうが好みではある。


物語としては全く異なるのだけれど、なぜか赤毛のアンが思い出された。
たぶん同じ辺境の島が舞台ということで、想起されたんだろう。
モンゴメリがAnne of Green Gablesを世に出したのが1908年。その約20年後に「灯台へ」は生まれている。
たぶん、両者には何も関係はないのだけれども、プリンスエドワード島から大西洋をこえて、スコットランドまでの遥かな距離を思った。