海の響きを懐かしむ

観たもの聴いたもの読んだものの記録と、日記など

意志のある仕事


ハイスイノナサというバンドのライブを観た。
おすすめされて音源を聞いていて、初めて観たのだけれど、非常に良かった。
雑な表現をすると、とにかく今っぽい。
今の時代だから生まれる音だし、受け入れられる音だと思う。
やたらメガネ男子率の高い客席を眺めつつ、その「今っぽさ」の所以をずっと考えながら聴いていた。


たぶん、情報量が過剰な音楽なのだと思う。

聞き手は、文字通り洪水みたいな音を浴びながら、
リズムに集中したり、幽かで美しいメロディをつかもうとしたりする。
曲の中に幾つも存在するピークのうち、どれを掴むのか、選択の余地がある。

それから彼らの楽曲は常にどこかが(拍子が?)ずれていて
そのせいで安心感がある音楽になっているような気がする。
つまり、4拍子と3拍子は、12拍目に合うようにできているように
ズレている、というのは逆にどこかで必ず辻褄が合うようになっているということ。

過剰さの中の自由度の高さ、不安定に見える安定さ、
そういうのが気持ち良くて、情報ジャンキー*1に受け入れられているような気がした。


また今日は、別のバンドのライブを観た。
こちらもすごく演奏が上手な人たちで、技巧的なことから客をエンターテインする、という点ではよかったのだけれど
テクニックの裏に迷いが透けて見えており、
その迷いが観客にも伝搬してしまっていて、釈然としない気持ちになった。

音というのは不思議で、表面的に聞こえる音の迫力を持ってしても
その上に血の通った意志とのようなものが乗っていなければ、生々しさを獲得することはできないのだなあと思う。


意志のある音楽。音楽以外でもそうか。

*1:この表現は適切ではないと思う