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海の響きを懐かしむ

さみしくはない

バケモノの子

映画

※この文章は少しネタバレを含んでいるかもしれません。

www.bakemono-no-ko.jp



面白い映画と、楽しい映画というのは違うと思っていて
例えば『ベイマックス』は抜群に面白い映画だった。
エンターテイメントであることに特化した鋭利なドリルみたいな感じだった。
この間の攻殻機動隊もまあまあ「面白かった」。
この場合の面白さは、あとにさらっとした砂利しか残さない。
(それはそれですごいことなんだけれど)


でも、『バケモノの子』は楽しい映画だった。
二時間たっぷり駆けて転げたから、白い靴下は確実に汚れた。
そういえば『おおかみこどもの雨と雪』の時もそうだった。
観終わってしばらくたった今でも、中途半端にしみが消えない。


あのキャラクターが、とかあのセリフが、設定が、とかじゃなくて
作品全体を覆う見えないもの。呪いみたいなもの?がある。
『おおかみ〜』の時は、それがもっとわかりやすく、業を感じさせた。
転んで剥がれた皮膚がぺろっとなっているのをまじまじと見つめるような冷静さで画面を見ていた。
前回も今回も「たちがわるい」と思う。そして「たちのわるい」映画は嫌いじゃない。
(だってあんなにたちのわるい『コクリコ坂から』を、今じゃ平気で好きな映画とか言ってるこの口だから)


九太が熊徹の足マネをして、動きを会得するシーンが一番良かったな。
「学ぶ」は「まねぶ」だっていうこと、とてもなめらかに伝わってきたから。
あとその後の修業の旅。どこからどうみても西遊記でにやにやする。


そして「声」と「キャラクター」の、一致しすぎるが故の違和感も残った。
アニメを観ているのに、役者の顔が脳裏に浮かぶ浮かぶ。
それは演技がうまいから、とかで簡単に解決できなさそうな仕掛けがある気がしてしまう。
なによりも多々良と百秋坊、大泉洋リリー・フランキーにそっくりですごい。