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海の響きを懐かしむ

さみしくはない

これが文学だ

読書
森鴎外の短編を読んでる。


まだ途中だけど、『山椒大夫』『高瀬舟』『魚玄機』『じいさんばあさん』どれもすごく良い。江戸時代や古代中国に生きた人々の話。伝説や昔話を下敷きにしてるせいか、淡々とした童話のような雰囲気をもっている。


闘病に耐えかねた弟に頼まれて、彼の首に手をかけた兄が刑に処される話とかがわかりやすい。不遇な運命を持つ人々のけなげな姿に胸を打たれる。これはまごうことなき文学だ、と思う。

 玄機が女子の形骸を以て、男子の心情を有していたことは、この詩を見ても推知することが出来る。しかしその形骸が女子であるから、吉士を懐うの情がないことはない。ただそれは蔓草が木の幹に纏い附こうとするような心であって、房帷の欲ではない。(『魚玄機』)