海の響きを懐かしむ

観たもの聴いたもの読んだものの記録と、日記など

壮大な身分違い

外国の小説を読んだり、音楽を聴いて
その世界にうっとり心酔していると
自分は、たまたま生まれる世紀を間違えただけで
実はどこかの国のお貴族様だったんじゃないかというような、
ささやかな誇大妄想にひたることがある。

もちろん頭のなかで思っているだけなので
表の言動にそれが出てくることはないのだけれど。
でも、自分にもっと自信と勇気があれば、
開き直ってなりきりごっこしてみるのにな、と思う。


横浜・元町で、洋館がたくさんある地域に行った時
ゴシック・ロリータの服装のお姉さんが、周りの目を気にせず
優雅に茶店でケーキを食べているのを見て
すごくいいと思った。
平凡なデートをしている自分が、ちょっと恥ずかしいくらい
まぶしかったのを覚えている。


想像力があって、それを表現できるって、すごく強いことだと思う。
どんな方法であれ、頭のなかの想像を具現化する力があると
人は他の辛いことを乗り越えられるんだと思う。
だから、誰かが表現したものに感化されて
みずからもまた想像をふくらませるのは
ご飯を3食食べて、うんちを毎日出すのと同じくらい
健康的な行為だと思う。


表の言動には出てこない、と言ったけれど
妄想にひたることで、たとえば
お茶を淹れる時にちゃんと時間を測り、蒸らすとか
姿勢を良くするとか
そういうことをいつもより、気にかけられるようになる。

また、旅行に出ると、普段より開放的な気分になって
まちなかを無駄に自信満々で歩いてみたりする。
(城下町を散策する貴族の気分で~~)


そして、現実に戻るとき、
ありのままの平凡さと、どこかのお貴族様の途方も無い飛距離を思い
またそれにニヤニヤとするのだった。



新装版 レズビアン短編小説集: 女たちの時間 (平凡社ライブラリー)

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