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海の響きを懐かしむ

さみしくはない

『秘密の花園』

秘密の花園 (光文社古典新訳文庫)

秘密の花園 (光文社古典新訳文庫)


私の人生には、妙に整合性が取れているところがある。


いつかきっと、これを読む時が来るだろうと思っていた。
たしか、小学生の時に図書館で読んだ『園芸図鑑』の中で
言及されていたことが、この本を知ったきっかけだったと思う。
あらすじを読んで少し怖いと思って、敬遠したのかもしれない。
深い理由は無くて、とにかく、その時はまだ必要がなかった。


先日、遠出をした時に
いつもの儀式のようにその土地の本屋に入って
光文社古典新訳版の『秘密の花園』を偶然に見つけた。
実はちょっと前から本屋で見つけたら読もうと決めていたのだけど
新訳版を置いている店がなかったのだった。
だから、その時が来たんだなと思った。
思い出して念じていると向こうからやってくるんだ、とも。


秋晴れの通勤電車の中で夢中になって読んだそのお話は、
進むほどにみずみずしさが増していって
花園の、見えないはずの草木と花の匂いが私を満たした。