海の響きを懐かしむ

観たもの聴いたもの読んだものの記録と、日記など

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会社の近くの小さな本屋で、文庫本を買った。


恋愛の話だけど、写真がテーマになっている。
音楽やスポーツの小説はよくあるけれど、写真の色味とか質感を扱った小説って珍しい。

小説家も読者も、写真家ではない、
けれど、ただの文字の集合であるはずの文章を通して、架空の人物が撮る作品が「みえる」。
フイルムの青みがかった色彩や、透明な光が漂って、写り込んでいる。
こういう不思議が、小説の醍醐味・楽しさだと思う。


アズミ・ハルコは行方不明 (幻冬舎文庫)

アズミ・ハルコは行方不明 (幻冬舎文庫)


山内マリコさんの2作目。
前作よりもFacebookやLINEがごく自然に登場するのせいか、
小説というよりもネットで見知らぬ人のブログを読んでいる感じで
つるつるっとしている。

余計な感情移入というか、
登場人物に寄り添う気持ちがほとんどわかなくて、
ひたすら客体って感じ。
同じつるつる感を、朝井リョウさんの小説にも感じる。


しかし、
つくづく思うのだけど、
どうして、ブンゲイの中の男女は
すぐセックスをするのだろう。

人間、男と女がふたりきりになると
特に意味なくオートマティックに
ことをいたすべくプログラムされているものなのか?

嫌悪までは行かないが、共感できない。
それとも想像だから、
共感できなくて当たり前だから、
小説になるのか?


もし自分が、これから小説を書くことがあっても
成り行きのセックスが出てくるお話は、書きたくないと思う。