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海の響きを懐かしむ

さみしくはない

パトリシア・ハイスミス『キャロル』

文章がきれい。チョコレートを口の中で舐めるみたいに、うっとりするような言い回しと、骨のある王道のラブストーリー。著者は推理小説の作家らしくて、ハラハラする展開もある。恋愛って普遍的なようでいて、この世に誰ひとりとして全く同じ顔の人がいないように、その人、その瞬間でまったくちがうことを思い出させてくれる。


映画はケイト・ブランシェットが主演のようで、そちらも楽しみ。あと、アメリカの恋愛小説だと『ぼくの美しい人だから』も最高で、日本文学のそれよりズブズブしてなくて好き。あっさりしているという意味ではなくて、恋の相手もひとりの個人であることがうっすらと前提になっていて、だからこそ気持ちが良くて哀しいから。


キャロル (河出文庫)

キャロル (河出文庫)

ぼくの美しい人だから (新潮文庫)

ぼくの美しい人だから (新潮文庫)