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海の響きを懐かしむ

さみしくはない

吉本ばなな『アムリタ』

Kindleでセールになっていたので、吉本ばなな『アムリタ』を買って読んだ。
はじめての吉本ばなな。この人も、興味がありつつも縁がなくて読んでいなかった人のひとりだ。


書いてあるのは日常、だ。
登場人物たちの境遇は冷静にみるとけっこう暗いし、
ふつうならばありえないような、ファンタジックな現象が取り扱われている。
でもそれらはあくまでも物語を縁取る要素で
真ん中には、終わりなき生活の輪がある。


ところどころで、ことばがまぶしく発光していた。
まるで夏の白い太陽を見上げた時のような完璧さを伴って。
生活を美しくあろうとすることは、こういうことばを忍耐強く拾い上げていくことなのだな。
少なくとも自分は、そうやっていくしかないのだな。
読み終わったとき、そんな決意のような、切実な開き直りのようなものが湧き上がってきて
なんだかすごいものを読んでしまったなあ、と思った。


アムリタ (上)

アムリタ (上)

アムリタ (下)

アムリタ (下)