読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

海の響きを懐かしむ

さみしくはない

谷崎松子『椅松庵の夢』

細雪』のモデルになった、谷崎の奥さんの手記。
作家の娘や奥さんの日記、手記を読むのは結構好きで
主観と思い出100%の文章が愛おしいと思う。


幸田文森茉莉の回顧録や、坂口三千代さんの『クラクラ日記』
太宰の娘の太田治子さんの『明るいほうへ』などは
生前こんなことあんなことがいろいろあったんです、というような感じで
故人との思い出話が多い。


でも谷崎松子さんのこの本は少し違っていて、
谷崎の臨終の前後と、死後の日々についての記述が多かった。
谷崎というのはとても(愛しい)女性を大切にする人だったのだということが、よくわかる。
サルトルボーヴォワールが谷崎の墓を尋ねるくだりが良かったな。


谷崎作品は、読む度に、未読の作品が減ってしまうことがもったいなくて
細雪はまだ読んでいない。


倚松庵の夢 (中公文庫)

倚松庵の夢 (中公文庫)