海の響きを懐かしむ

観たもの聴いたもの読んだものの記録と、日記など

枕草子

異常におもしろい


ただの感覚が鋭すぎる人の、観察日誌しての側面と(ものづくし)
朝廷での栄枯盛衰あれこれを書き留めた記録としての顔がある。


しかも後者は、テキストそのものだけでなく
「何が書かれていないか」ということを時代考証と照らし合わせることで、
朝廷内でどんな政治的展開がなされていたか、愛憎こもごものドラマが見えてくる。
ミステリー小説のようでさえある。


清少納言という人の一貫した美意識、高潔さには頭が下がる。
人が何かを判断するとき、ふつう、もっとこう、ためらいがあるのでないか。
こんなことを考えるのって変かも…というような。
この人はそういうプロセスを踏まず最初から高い場所にいて、悠々と景色を見ている。
自分の頭の中にあるものを言い切ることの潔さ。
他者の共感を求めない、ブレない姿勢。
ただただ感嘆し、憧れるしかない。


まずは角川ビギナーズで雰囲気をつかんで、
ちくま文庫版で詳しい背景を拾っていったのだが、これは良かった。
次は冲方丁のはなとゆめを読んでみる。
枕草子成立のお話。


枕草子―日本古典は面白い (ちくま文庫)

枕草子―日本古典は面白い (ちくま文庫)