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海の響きを懐かしむ

さみしくはない

『 虫めづる姫君~堤中納言物語~』

虫めづる姫君?堤中納言物語? (光文社古典新訳文庫)

虫めづる姫君?堤中納言物語? (光文社古典新訳文庫)


光文社古典新訳文庫のKindleセールで買った。短いお話のアンソロジー。


虫めづる姫君って、変な趣味の人ってくくりで語られるイメージだったけど、自分の価値観を大切にする、聡明で理知的な女性だった。平安女性とひとくくりに言っても、みんながみんな、おしゃれして和歌読んで男と恋して...ってわけではない。『枕草子』もそうだけれど、社会通年にとらわれずに、自分なりのものの見方を持っている人は麗しい。


一番良かったのは『ほどほどの懸想』。身分の低いものから貴族まで、いろんなカップルの恋が流れるように連続していく。絵巻物や短編映画をみているよう。引きのカメラが横へ横へとスライドしていって、最後、ふっと空を仰いで終わる、その広がり。語り部のちょっと冷めた視点は、ウォン・カーウァイのようにスタイリッシュでさえある!