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海の響きを懐かしむ

さみしくはない

『ジブリの仲間たち』と『ジブリの大博覧会』

読書

ジブリの仲間たち (新潮新書)

ジブリの仲間たち (新潮新書)


スタジオジブリ鈴木敏夫さんの新著。
これまで読んだジブリ関連本では、宮﨑駿と高畑勲を中心に、アニメーション作りそのものが語られることが多かったけど、この本ではジブリ映画を宣伝・興行し、稼ぎ、収益をもとに次回作を制作する健全なサイクルの奇跡が語られている。アニメーションに留まらず、日本の映画産業の構造もわかって非常におもしろい。



鈴木さんの映画宣伝手法については、DVD「もののけ姫はこうして生まれた」の中でも印象的に撮られているのだけど、その中で「もののけ姫」のコピーを決めるために糸井重里と鈴木さんがFAX書簡でやりとりするシーンがある。コピーはめちゃくちゃ難産で、最後の方とかイトイさんヤケクソなんだけれども、文字の殴り合いのようなやりとりを経て最終的に「生きろ。」に決定する。この書簡が、六本木ヒルズの「ジブリの大博覧会」でプロセスそのまま展示されていて、鳥肌が立ってしまった。


ジブリ「もののけ姫」のコピーが「生きろ。」になるまで 鈴木敏夫と糸井重里の手紙のやりとり (1/12) - ITmedia ニュース

「もののけ姫」はこうして生まれた。 [DVD]

「もののけ姫」はこうして生まれた。 [DVD]


このDVDは本当にすごくて、DVD3枚組、6時間もある。正直もののけ姫本編よりもこちらのほうが大好きだ。なぜかというと、ジブリというある種の桃源郷で繰り広げられるお仕事ドラマだから。

ジブリのアニメーターやスタッフのみならず、美輪明宏石田ゆり子ら声優陣、久石譲徳間書店東宝、日テレ、ブエナビスタホームエンターテイメント、電通、予告編制作会社、PR会社と、ありとあらゆるプレイヤーの汗水垂らす姿を追いかけている。映画作りの全過程まるわかりのすごい映像。監督にだけ密着する他のドキュメンタリーとは一線を画していて、下手なビジネス書を読むより元気が出る。

もちろん『ジブリの仲間たち』では、「もののけ姫」以降もいろんな人が登場する。例えば「ポニョ」の歌を歌った博報堂社員の藤巻さんやドワンゴ川上さんなど。この本を読んで、もう一度川上さんの本を読み返してみようと思った。ちょうどshi3zさんが「シン・ゴジラ」のエントリで紹介されていたし。

シン・ゴジラ 1日ぶり6度目の鑑賞の感想文 - shi3zの長文日記