海の響きを懐かしむ

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イギリス史と、イギリス文学のファンダム(オタクワールド?)について

イギリス史10講 (岩波新書)

イギリス史10講 (岩波新書)

イギリス文学史入門 (英語・英米文学入門シリーズ)

イギリス文学史入門 (英語・英米文学入門シリーズ)


前々から、イギリス文学の体系的な知識が欲しいと思っていて、まずはとっかかりとして、この二冊を読んだ。ちゃんとノートも取って、時間軸に沿って見開き左ページに正史、右ページに文化史という形で、二冊を同時に読み進めていった。


特に詩人については、名前と年代が全然結びついてなくて、イエイツ、キーツ、ミルトン、テニスンバニヤンシェリー等、名前だけ知っててごっちゃになってる人が多かったので、歴史の中のどういう文脈に置かれていたか理解できた。ドライデン等、初めて知る名前もかなりあった。


ざっと読んで感じたことは:

  • イギリス文学の根っこはやはり演劇と詩。小説は近世に入ってから。
  • 特に私が好きなオースティン、ブロンテ姉妹、ウルフと言った作家たちは、文学史的にはどちらかというと傍流のようだ(時代を即反映したひとびとではない、という認識)
  • イギリス史自体、やはり18世紀以降がとても重い(ヴィクトリア女王の偉大さよ)それ以降は、単体の国から歴史を追うのは不可能で、やはりヨーロッパ全体の見取り図に照らしながら個別の事象を追う必要がある。
  • 20世紀は、上記の本だけでは足りないので、カバーが必要。ジョージ・オーウェル以降の20世紀イギリスはどうなっている?


演劇については、「シェイクスピアの正体」も面白かった。都市伝説で良く知られる、シェイクスピア別人説をミステリー調に解きほぐしていく。

シェイクスピアの正体 (新潮文庫)

シェイクスピアの正体 (新潮文庫)



あと、イギリス文学を取り巻くファンダムの形態(?)についてもう少し知りたいと思っている。


例えば。オースティンのファンのことを「ジェイナイト」と呼ぶ。彼らは熱心に集って、小説のコスプレをしているらしい。シャーロック・ホームズの熱狂的ファンも、やはり「シャーロキアン」と呼ばれて、彼らは劇中の細かい知識を問うテストをやってたりするらしい。最近だとハリー・ポッターのファンサイト「ポッターモア」の存在も面白い(あれは出版社側が主導してるようだけれど)


オタクがいちいち組織化されて、しかもそれが独自の世界を形成していく現象があるように見える。世界観にべったり入り込みたい、その中で遊びたい、といった欲望を感じる。


こういうファンダム(オタクワールド?)の作られ方は、あまり日本には見られないので興味深い。日本のオタク・コスプレ文化との差異について研究している人はいないだろうか。フリーメイソンのように、独特の階級社会だからこそ生まれるものなのか?謎だ。

イギリスオタクについて詳しい資料があったら知りたい。