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海の響きを懐かしむ

さみしくはない

LA LA LAND

映画

(ややネタバレありです。ネタバレするような映画なの!?って観る前は思っていたんだけども・・・まだ公開されて日が浅いので。)

gaga.ne.jp




公開翌日、土曜日にIMAXで観た。とても良かった。今週末にまた観に行く。観終わっても映画のイメージを忘れられず、サントラを購入し、既にYouTubeで出回っているメイキング動画を漁り、アカデミー賞をリアルタイムで楽しみ・・・としているうちに、やっと気持ちの整理がついてきた。


検索すると、いろんなところで、いろんな人の感想が出ている。けれども、ファーストインプレッションとしてとにかく、自分の言葉で書いておきたいので、書く。






直後は微妙というか、普通というか、あれ〜期待通りじゃん・・・?と思ったけど、単にそれは予告を見すぎたせいかもしれない。予告で感じる世界観と、本編にはけっこうなズレがある。
(予告が悪いとは思わない…仮に自分がもしディレクターの立場だったら、同じように編集していたと思う。そう思えるほど、「見せ場」が決まって(≒キマって)いる)



端的に言って、夢を追う男女のキラキラミュージカルだと思っていた。多くの人がそう思っていたと思う。でも違った。これは決別と喪失の物語だ。生きていくのに、あらかじめ失われたものへの別離の宣言。この映画は、それにめいっぱいの金箔やカラフルなコーティングを施して、掲げてみせる。

あのラスト、「Someone in the crowd」の主旋律がファンファーレみたいに鳴り響く音を聴いたとき、ああミアとセブの人生はここから始まるんだ、と思った。なんてことだろう、この映画は、最後の最後にすべてを始めようとしている。その、映画そのものの"決意"を最大瞬間風速で投げかけられたのを見せられて、とても感動してしまった。となりに誰かがいても、いなくても、それでも続いていく。「だってそれが人生でしょ?」と言ってみせる。



色々言われているように、言いたいことも結構ある。そもそも、これはミュージカル映画なんだろうか?監督は本当に音楽を、ジャズを、ダンスを、映画を愛しているのか?あの"イヤイヤやってる売れ線バンド"の曲のシンセ音。あれを聴きながら「こんなにも音楽をダサく取り扱って、音楽の神様に怒られやしないか?」と勝手に心配したほどだ。

ミアとセブの言っていることも苛立ちを伴って聞こえることが多かったし、誤解を恐れずに言えば、主演女優がエマ・ストーンだったことの必然性も(まだ)感じられていない。これについては、「シカゴ」のレニー・ゼルウィガーみたいな、「あの人実はめっちゃ歌って踊れるんじゃん!!!!」という迫力を勝手に期待していたわたしのせいもあるけど。しかしどうにも、デミアン・チャゼルという人が信用しきれていなくって、このあたりについては二度目の時に確かめるつもりだ。



それでも、オープニングの高速道路からパーティまでの流れと、ラストのシークエンスが完璧すぎて、それだけでお釣りが返ってくる。ハリウッドへの自己言及という意味では数年前の「The Artist」を思い出したし、「if」がもたらす切なさは昨年の「Sing Street」の体育館のシーンに通じている。




二度目は死ぬほどスノッブになって、オマージュの元ネタを把握してから臨みたい。