海の響きを懐かしむ

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「タリーと私の秘密の時間(原題:Tully)」が、育児のリアルを描いていて若干ホラーだったという話

tully.jp


ジェイソン・ライトマン監督の新作「タリーと私の秘密の時間(原題:Tully)」を観ました。シャーリーズ・セロン主演のヒューマンドラマです。

あらすじは、シャーリーズ・セロンが3人の子ども(新生児含む)の母親マーロを演じていて、ワンオペ育児をものすごくがんばるのですが、疲れてボロボロになってしまう。そこで兄に勧められたナイト・シッターを雇うと、Tullyという若い女性がやってくる。タリーは若くてちょっと不思議な女の子なのだけど、仕事は完璧で、赤ちゃんの世話だけでなく家のこともやってくれる。夜だけやってくるタリーに、最初はシッターを雇うことに懐疑的だったマーロは、心を開いていくが・・・
という話。


まず、同じ監督・脚本家で、同じくシャーリーズ・セロン主演の「ヤング≒アダルト」という映画があり、この3人の再タッグ作ということで、すごく期待していました。こちらは、アラフォー独身女性の酸いも甘いもの人生を描いた、最高のコメディ映画です。Amazonプライムでも観られるので超オススメ。


で、Tullyのほうなのですが、育児疲れをすごくリアルに描いていて、いい意味で辛くなりました。家族の素晴らしさ・平凡な暮らしの尊さを描きながら、子どもを育てることの厳しさ、孤独が、とても伝わってくる。脚本家は女性で、自身の育児体験をもとにしているらしくて、非常にリアルで巧み。そこに18キロ増量したデブデブのシャーリーズ・セロンの熱演が加わってくる。


育児をこんなに夢のないものとして描写した映画は初めてな気がします。舞台はアメリカのニューヨーク郊外ですが、まるで日本の状況を見ているよう。アメリカでも、少し田舎に行くとこんなにも状況は似ているものなのかと驚かされます。最後のオチも考えさせられるもので、ある意味ホラーだったのではないか・・・と思うほど。決しておとぎ話に着地しないのが、良いと思いました。


個人的には、マーロの「(20代を楽しく過ごしていると)ゴミ収集車みたいに30代がやってくる」というセリフが、めちゃくちゃ重くて良かった。


女性には子どもの有無問わず刺さるものがある映画と思いますが、男性の感想も気になります。スカッと「面白かった〜!」と思えるものではないですが、いろいろ考えさせられました。オーシャンズ8が、フィクションとしての女の人生を描いているものだとしたら、こちらは地に足のついた女性映画だと思う(もちろんオーシャンズ、あれはあれで最高なんだけど)


おすすめです。